ガス給湯器やガスコンロなどから「ゴォーッ」という異音が聞こえて不安に感じていませんか。本記事では、ガス機器の異音の原因や発生しやすい機器ごとの特徴、安全な応急対応、故障の見分け方、メーカー別相談先、日常の安全点検方法までわかりやすく解説します。異音の診断早見表を活用し、安全なガス機器の利用に役立ててください。
ガス機器から「ゴォーッ」と鳴る音がする原因とは
家庭で使用されるガス機器から「ゴォーッ」といった異音が発生すると、多くの方が機器の安全性や故障、ガス漏れのリスクを心配されます。ここでは、「ゴォーッ」と鳴る音の主な発生原因や、その背景について詳しく解説します。
よくあるガス機器の異音の種類
ガス機器から発生する異音には、以下のような種類があります。音の違いによって、トラブルの原因も異なる点に注意が必要です。
| 音の種類 | 主な発生機器 | よくある原因 |
|---|---|---|
| ゴォーッ | 給湯器、ガスコンロ、ファンヒーターなど | ガスの燃焼時に発生。点火直後・高出力運転時に多い。 |
| カタカタ・カチカチ | 給湯器、ガスコンロ | 機構部の動作音、点火用電極の発火音など。 |
| シューッ | ガスコンロ、ヒーター | ガスの噴出音や、ガス圧変化による音。 |
| ポン、パン | 給湯器、ストーブ | 燃焼時の膨張収縮音や、不完全着火。 |
「ゴォーッ」と鳴る音の特徴と発生しやすい状況
「ゴォーッ」という音は、ガス機器内部でガスが燃焼する際に発生する典型的な音です。特に以下のような状況で耳にすることが多くなります。
- ガス給湯器やガスコンロの強火運転時
- ガスファンヒーターやストーブを点火した直後
- 機器の炎が正常より大きくなっている、あるいは吹き出し音を伴う場合
正常な運転でも若干の「ゴォーッ」という音は発生しますが、以前よりも明らかに音が大きくなった場合や、異常な振動・煙・臭いなどを伴う場合には特に注意が必要です。ガスが多量に噴出している、空気とガスの混合比が適切でない、もしくは内部部品の劣化や破損など、様々な原因が考えられます。
ガス機器ごとに異音が発生する主な機種
ガス機器から「ゴォーッ」という異音が聞こえる場合、その発生源となる主な機種は「ガス給湯器」「ガスコンロ」「ガスファンヒーター・ガスストーブ」などが挙げられます。それぞれの機種ごとに異音の発生原因や特徴、不具合のサインが異なるため、正しく見極めることが大切です。
ガス給湯器での「ゴォーッ」と鳴る音
家庭用や業務用のガス給湯器では、運転中や着火時に「ゴォーッ」という音が生じることがあります。多くは燃焼用送風ファンの作動音や、熱交換器内部のガスと空気の流れが関係しています。
| 主な設置場所 | 発生しやすいタイミング | 主な原因 |
|---|---|---|
| 屋外壁掛け型・据置型 | お湯を出した直後、使用中 | 送風ファン、燃焼不良、排気詰まり |
| 室内設置タイプ | 浴室・キッチン等での消費量大時 | 排気ダクトの劣化や目詰まり |
特に冬場や長時間使用時に発生しやすく、音の大きさや継続時間が変化した場合は内部の不具合や経年劣化の可能性があるため、早めの点検が必要です。
ガスコンロでの「ゴォーッ」と鳴る音
ガスコンロは家庭の中で最も使用頻度が高いガス機器です。「ゴォーッ」という音は、主に火力調整時やバーナーの詰まり、燃焼状態の変化に関連しています。
| 型式 | 発生状況 | 特徴的なポイント |
|---|---|---|
| テーブルコンロ | 強火で点火した時、鍋を乗せ替えた時 | バーナー内部の汚れによる空気流の乱れ |
| ビルトインコンロ | 連続使用時、ゴトクがずれた時 | ガス混合比率の異常やバーナーキャップのずれ |
日常利用で「ゴォーッ」という音が急に大きくなった、または継続的に鳴る場合は安全装置の作動やバーナー部品の破損、目詰まりなどが疑われます。
ガスファンヒーター、ガスストーブでの異音
ガスファンヒーターやガスストーブは、冬季に多用される暖房機器です。「ゴォーッ」という音がする場合、送風ファンや燃焼部のゴミ詰まり、ガス圧の変動が関係する場合が多いです。
| 機種 | 異音が発生しやすい場面 | 主なメカニズム |
|---|---|---|
| ガスファンヒーター | 起動直後や温度調整時 | ファンモーターの劣化や異物混入 |
| ガスストーブ | 点火時・消火時 | バーナー部の汚れ、空気供給の異常 |
湿度の変化や設置場所の環境変化によっても音が変化することがあり、特に異臭や点火不良を伴う場合はすぐに使用を中止し、安全点検を行うことが重要です。
ガス機器の異音診断早見表
ガス機器の異音チェックリスト
ガス機器から異音が発生した場合、まずはどのような音が、どのタイミングで、どの部分から聞こえてくるのかを確認しましょう。以下のチェックリストで、安全かつ確実なセルフ診断の第一歩としてご活用ください。
| 異音の種類 | 発生タイミング | 発生部位 | 主な原因例 |
|---|---|---|---|
| ゴォーッ | 運転中・点火時 | 燃焼部分 | 内部への空気の流れ・バーナーの汚れ・ファンの異常 |
| カチカチ | 点火時 | 点火装置 | 点火プラグの劣化・ガス供給不良 |
| ピー | 異常発生時 | 警報ブザー部 | 異常検知・エラーコード発生 |
| シュー | 途中・終了時 | ガス弁周辺 | ガス漏れ・減圧弁の不具合 |
「ゴォーッ」という音は、ブロアファンやバーナーなど、燃焼系統に異常が生じている可能性が高くなります。
異音ごとに考えられる故障・不具合例
異音の種類や発生するガス機器ごとに、代表的な原因や故障例をまとめました。安全な使用のため、早期発見・早期対応を心がけましょう。
| 機器の種類 | 異音 | 主な不具合・故障例 | 安全への影響 |
|---|---|---|---|
| ガス給湯器 | ゴォーッ、ゴー、カタカタ | ファンモーター異常、バーナー不完全燃焼、フィルターや排気詰まり | 不完全燃焼による一酸化炭素中毒など重大事故のリスク |
| ガスコンロ | ゴォーッ、ボンッ | バーナー目詰まり、点火不良、炎検知センサー不良 | 火災やガス漏れの危険性 |
| ガスファンヒーター | ゴォーッ、カラカラ | ファンの異常、バーナーの汚れ、ダクト内異物混入 | 不完全燃焼や低効率運転・安全装置作動 |
着火時・使用中の異音ケース
着火直後や使用中に「ゴォーッ」といった大きめの異音が発生する場合は、バーナー部分の汚れや空気供給のバランス不良、ファンの不具合が疑われます。特に経年劣化やフィルターの詰まりによって、正常な燃焼が妨げられることで異音が強くなることがあります。
ガス漏れが疑われる場合のチェックポイント
異音に加えてガス臭を感じる、またはガス機器周辺で「シュー」という音がする場合は、ガス漏れの可能性が大いに考えられます。下記のポイントを確認したうえで、絶対に無理に使用はせず、速やかにガス会社や専門業者に連絡してください。
- ガス臭または焦げたような匂い、メカニックな金属音がある
- 炎の色が通常より赤や黄、また不安定に揺れている
- 換気扇が正常に作動していない
- 警報ブザーやガス警報器が鳴動している
異音が発生したときの簡単セルフチェック方法
異音が発生した時は、以下の手順でセルフチェックを行いましょう。ただし、異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、無理に点検や分解はせず、専門業者による点検を依頼してください。
- 機器外部に焦げ跡や異臭がないか確認
- 吸排気口・フィルターの詰まりをチェック
- 炎の色や形に異常がないか観察（青い炎が正常）
- マニュアルに記載の警告ランプやエラー表示を確認
- ガス栓・電源プラグ・排気ダクトが正しく接続されているか再確認
これらのポイントを踏まえ、安全にガス機器を利用することで、思わぬ事故や故障を未然に防ぐことができます。
「ゴォーッ」と鳴る音がした場合の対処法
プロパンガス・都市ガス共通の注意点
「ゴォーッ」と鳴る音がガス機器からした場合、まず最優先は安全の確認です。ガス臭や焦げ臭いにおいがないか、周囲にガス漏れや異常発熱の兆候がないかを必ず確認してください。また、ガス機器の使用をすぐに中止し、電源プラグを抜くことは事故防止に繋がります。
万が一ガス臭や異常な煙、炎の変色（赤や黄色い炎など）が見られる場合は、すぐに窓を開けて換気を行い、ガス供給元の元栓を閉めてください。その際、電気のスイッチや換気扇は絶対に操作しないことが重要です。
特にプロパンガス（LPガス）の場合、ガス警報器が反応している場合は速やかに避難し、必ずガス販売店や保安機関へ連絡しましょう。都市ガスの場合も同様に、ガス会社の緊急連絡先へ速やかに連絡してください。
メーカーごと（リンナイ、パロマ、ノーリツなど）の相談先
「ゴォーッ」と鳴る音の原因が自分で特定できない、不安がある場合はガス機器のメーカーに必ず相談してください。主なメーカーの問い合わせ先は下記の通りです。
| メーカー名 | サポート窓口 | 受付時間 |
|---|---|---|
| リンナイ | リンナイお客様センター（0120-054-321） | 9:00〜19:00（年中無休） |
| パロマ | パロマお客様相談室（0120-193-860） | 9:00〜17:30（土日祝も対応） |
| ノーリツ | ノーリツコンタクトセンター（0120-911-026） | 9:00〜18:00（年中無休） |
各メーカーともに、ガス機器の型番や異音発生時の状況をメモしておくと、よりスムーズに対応が可能です。
修理が必要なケースとすぐやるべき安全対策
修理・交換が必要な目安
以下のような場合は必ず専門業者やメーカーに修理、または点検を依頼してください。
- 「ゴォーッ」と鳴る音が大きく、継続的にする場合
- 着火・停止のタイミングで異音が繰り返し発生する場合
- ガス臭・焦げ臭がする、もしくは明らかな異常燃焼（炎の色がおかしい、炎が安定しない）
- 以前に比べて明らかに動作音が大きくなったと感じる場合
素人の判断や自己修理は絶対に避けてください。内部構造に触れることで、重大な事故や機器の故障につながる恐れがあります。
すぐに実践すべき安全対策
- 電源プラグがある機器は、コンセントから抜く
- ガス栓・元栓を閉じる
- 窓を開けて十分に換気を行う
- 異音の状況・使用状況を記録しておく
また、ガス漏れや火災につながるリスクが少しでも懸念される場合は、ただちに避難して安全な場所から連絡を取ってください。
ガス機器の異音を防ぐための日常点検ポイント
日々の安全確認方法
ガス機器を安全に利用し、異音トラブルを未然に防ぐためには、日々の点検と小さな変化を見逃さない意識が重要です。ご家庭でできる主な安全確認ポイントを以下にまとめます。
| 点検項目 | チェック方法 | 頻度 |
|---|---|---|
| 燃焼音・動作音の確認 | 通常と違う「ゴォーッ」や異常な音がしないか、じっくり耳を澄ませる | 毎使用時 |
| 異臭（ガス臭・焦げ臭い臭い）の有無 | 付近の空気を嗅ぎ、違和感やガス臭さを感じないか | 毎使用時 |
| 給排気口や通気孔の汚れ・つまり | ホコリやごみの付着、障害物の有無を目視で確認 | 週1回以上 |
| 炎の色（ガスコンロ等） | 青い炎で安定していること、赤味・黄味がないか | 毎使用時 |
| 器具まわりの水漏れや結露 | 本体や配管周辺に濡れや滴下がないか触診・観察 | 定期的 |
特に、燃焼時に普段聞き慣れない音がした場合や、炎の色が濁っている時はトラブルの兆候である可能性が高いため、使用を中止し販売店やメーカーにも確認しましょう。
点検・メンテナンスの重要性
ガス機器は安心して使用するために、専門業者による定期的な点検・メンテナンスを受けることが不可欠です。メーカーやガス会社が推奨する年1回程度の点検を受けることで、機器内部のガス漏れや部品の劣化、不具合の早期発見につながります。
また、以下のポイントも押さえておきましょう。
- ガス機器設置から10年以上経過している場合は、交換も検討する
- 取扱説明書に記載されたメンテナンス方法を守る
- 自己分解や内部清掃はせず、必ずプロに依頼する
日常のセルフチェックと専門点検・メンテナンスの両輪で安全を守ることが、異音や重大事故を防止する最大のポイントです。
まとめ
ガス機器から「ゴォーッ」と鳴る音が発生した場合、機器の内部や排気の不具合だけでなく、安全性にも影響する可能性があります。異音を放置せず、セルフチェックやメーカー（リンナイ、パロマ、ノーリツ等）への相談・点検を早めに行うことで、事故や故障の予防に繋がります。日々の点検を心がけ、安全なガス機器の使用を続けましょう。
