同棲・新婚・カップルでの二人暮らしを始めると、毎月のガス代が「高いのか安いのかわからない」と感じることがあります。ガス代は季節・地域・ガスの種類によって大きく変わるため、ただ「月◯円」という数字だけ見ても判断できません。
本記事では、総務省の家計調査データをもとに、二人暮らしの都市ガス代の全国平均・地域別・季節別の詳細データをまとめました。あわせて、ガス代が高くなる原因と、今日から実践できる具体的な節約術6選を解説します。
- 二人暮らしの都市ガス代の全国平均(季節別・地域別)
- 都市ガスのm3あたりの料金の仕組み
- 都市ガスとプロパンガスの料金差(具体的な金額で比較)
- ガス代が高くなる5つの原因
- 節約効果が大きい節約術ランキング6選
- ガス会社・プランの乗り換えで得する方法
二人暮らしの平均ガス代はいくら?【2024年最新データ】
全国平均は月4,500円前後
総務省統計局の「2024年家計調査結果」によると、二人以上の世帯のガス代の全国平均は月4,497円です。二人暮らしに限定すると、1人暮らし(約2,500円)より高く、3人以上の家族(約5,500〜6,000円)より低い水準になります。
なお、この平均値は都市ガスとプロパンガス(LPガス)の両方が混在したデータです。プロパンガスを使用している家庭はこれより2,000〜5,000円程度高くなるため、都市ガスのみで生活している場合の実態はやや低い可能性があります。
出典:総務省統計局「2024年家計調査結果|家計収支編 二人以上世帯」
※二人暮らし(夫婦二人)のみのデータではなく、二人以上世帯の平均値
季節別のガス代平均(二人暮らしの目安)
ガス代は季節によって大きく変動します。冬は夏の約2.5倍以上になることも珍しくありません。
7,500円
4,500円
3,200円
5,500円
冬にガス代が高くなる主な理由は以下の2つです。
- 水温の低下:冬は水道水の温度が夏の15〜20℃から5℃前後まで下がります。同じ量のお湯を沸かすにも、より多くのガスが必要になります
- 入浴習慣の変化:夏はシャワーで済ませる日が多くても、冬は湯船に毎日浸かる方が増え、お湯の使用量が増加します
月ごとの目安(都市ガス・二人暮らし)
| 月 | ガス代目安 | 都市ガス使用量目安 | コメント |
|---|---|---|---|
| 1月 | 7,000〜8,000円 | 40〜50m³ | 年間で最も高い |
| 2月 | 6,500〜7,500円 | 35〜45m³ | 水道水が最も冷たい |
| 3月 | 5,500〜6,500円 | 30〜40m³ | 徐々に下がり始める |
| 4月 | 4,000〜5,000円 | 22〜28m³ | 暖かくなりガス代が落ち着く |
| 5月 | 3,500〜4,500円 | 18〜25m³ | 安定した低水準 |
| 6月 | 3,000〜4,000円 | 16〜22m³ | 梅雨でシャワー多め |
| 7月 | 2,500〜3,500円 | 14〜18m³ | 年間で最も安い時期 |
| 8月 | 2,500〜3,200円 | 13〜17m³ | シャワーのみの日が増える |
| 9月 | 2,800〜3,800円 | 15〜20m³ | 夏終わりで少し上昇 |
| 10月 | 3,500〜4,500円 | 20〜26m³ | 湯船に入る日が増える |
| 11月 | 4,500〜5,500円 | 26〜33m³ | 急激に上昇する月 |
| 12月 | 5,500〜7,000円 | 32〜43m³ | 年末に向けて急上昇 |
地域別の都市ガス代平均|どの地域が高い?
ガス代には地域差があります。これは主に以下の理由によるものです。
- 地域の気候(気温・水温の違い)による使用量の差
- 都市ガス会社ごとの料金設定の違い
- 地域のエネルギー供給インフラの整備状況
| 地域 | 月平均ガス代の目安 | 特徴・理由 |
|---|---|---|
| 北海道 | 5,500〜7,000円 | 寒冷地のため暖房・給湯の使用量が多い |
| 東北 | 5,000〜6,500円 | 冬の気温が低く、ガス使用量が多い |
| 関東(東京・神奈川等) | 4,500〜5,500円 | 標準的な気候。東京ガスが主要供給者 |
| 東海(愛知・静岡等) | 4,800〜6,000円 | 中部地域は料金やや高め |
| 関西(大阪・兵庫等) | 4,500〜5,800円 | 大阪ガス管轄エリア。料金が比較的高め |
| 中国・四国 | 4,200〜5,500円 | 地域によって大きく異なる |
| 九州 | 3,800〜5,000円 | 温暖な気候でガス使用量は少なめ |
| 沖縄 | 3,000〜4,000円 | 温暖なため最も安いが、そもそも都市ガス普及率低い |
同じ関東でも、東京都心部と郊外では料金が異なります。また、2016年の都市ガス自由化以降、同一エリア内でも複数のガス会社から選択できるため、どの会社と契約しているかによっても料金が変わります。上記はあくまで目安であり、実際の請求書で確認することが重要です。
都市ガスの料金の仕組み|m3あたりいくら?
ガス料金の計算方法
都市ガスの料金は「基本料金 + 従量料金」の2段構成です。毎月の請求書を見ると、この2つが別々に記載されています。
都市ガスのm3あたり単価の目安
| ガス会社 | 基本料金(目安) | m3あたりの従量料金(目安) |
|---|---|---|
| 東京ガス(東京) | 約750円/月 | 約132〜172円/m³(使用量段階制) |
| 大阪ガス(関西) | 約750円/月 | 約155〜200円/m³(使用量段階制) |
| 東邦ガス(東海) | 約800円/月 | 約165〜210円/m³ |
| 西部ガス(九州) | 約750円/月 | 約130〜180円/m³ |
多くの都市ガス会社は「段階制料金」を採用しており、使用量が多いほど1m³あたりの単価が下がる仕組みになっています。ただし、基本料金が安いプランを選ぶと段階的なメリットが薄れることもあるため、ご自身の使用量に合ったプランを選ぶことが重要です。
燃料費調整額について
請求書に「燃料費調整額」という項目があります。これは、天然ガスなどの原燃料の国際価格変動を毎月の料金に反映させる仕組みです。原油・液化天然ガス(LNG)の価格が上がると、燃料費調整額がプラスになり請求額が増えます。
2022〜2023年はロシアのウクライナ侵攻による天然ガス価格高騰の影響で、燃料費調整額が大幅にプラスになり、多くの家庭でガス代が1.5〜2倍以上に膨らんだ時期がありました。2024年以降は一定程度落ち着いていますが、国際情勢によって今後も変動する可能性があります。
都市ガスとプロパンガス|料金差はどのくらい?
都市ガス(天然ガス)
- m³単価:約130〜200円
- 基本料金:約700〜900円/月
- 規制あり(経済産業省の監督下)
- 配管でガスを供給(地下埋設)
- 二人暮らし月額目安:4,500〜6,000円
プロパンガス(LPガス)
- m³単価:約400〜700円
- 基本料金:約1,500〜2,500円/月
- ガス会社が自由に料金設定可
- ボンベ(ガスボンベ)で供給
- 二人暮らし月額目安:7,000〜12,000円
都市ガスとプロパンガスを比べると、プロパンガスの方が月平均で3,000〜7,000円程度高くなることが多いです。年間にすると36,000〜84,000円もの差が出る計算です。
プロパンガスが高い理由は「料金規制がない」ことにあります。都市ガスは経済産業省が料金上限を監督していますが、プロパンガスはガス会社が自由に料金を設定できるため、会社によって大きな価格差が生じます。
都市ガスとプロパンガスの見分け方
今の住まいがどちらのガスを使っているかを確認する方法は以下の通りです。
- 玄関・駐車場のガスメーターを確認:「LPガス」「プロパンガス」と書かれたボンベが近くにあればプロパンガス。何もなければ都市ガスの可能性が高い
- ガスの請求書を確認:「都市ガス」「天然ガス」と書かれていれば都市ガス。「LPガス」「プロパン」ならプロパンガス
- 賃貸の場合は管理会社・物件情報を確認:物件情報の設備欄に「都市ガス」または「プロパン」と記載があることが多い
ガス代について詳しくは「ガス屋のつぶやき」のコラムもご参考に
二人暮らしのガス使用量の適正値や、使用量が多すぎる場合の対策については、二人暮らしガス使用量の平均と節約術を徹底解説もあわせてご覧ください。
二人暮らしでガス代が高くなる5つの原因
原因① お風呂での過剰なガス消費
お風呂は二人暮らしにおけるガス消費の約50〜60%を占めます。特に問題になりやすいのが「追いだき」と「高温設定」です。追いだき1回でガス約0.5〜1m³を消費し、費用にすると65〜170円程度かかります。毎日1回の追いだきをするだけで月2,000〜5,000円以上のガス代が追加されることがあります。
また、設定温度を42℃以上にしていると、お湯を沸かすのに余分なガスが必要になります。給湯器の設定温度は40〜41℃が省エネと快適のバランス点です。
原因② シャワー時間が長い・お互いの入浴がバラバラ
シャワーは1分間に約8〜10Lのお湯を使います。40℃のお湯1Lを沸かすのに必要なガス量は約0.005m³前後なので、シャワー1分あたりガス代は約5〜8円の計算です。10分のシャワーで1回約50〜80円、二人で毎日それぞれ10分シャワーを浴びると月3,000〜5,000円程度になります。
また、二人の入浴時間がバラバラで、何時間も間が空くと湯船のお湯が冷めて追いだきが必要になります。
原因③ 古い給湯器による熱効率の低下
給湯器の熱効率(熱量をお湯に変換する効率)は年々向上しています。従来型給湯器の熱効率は80%前後ですが、現在のエコジョーズ(潜熱回収型給湯器)は95%以上の熱効率を実現しています。古い給湯器を使い続けることで、同じ量のお湯を沸かすのに10〜20%多くのガスを消費していることがあります。
原因④ 調理でのガスの非効率な使い方
調理でのガス消費はお風呂よりも少ないですが、積み重ねると無視できません。強火で加熱しても鍋底で受けられる熱量には上限があるため、強火はガスを無駄にするだけです。鍋底からはみ出た炎は無駄な熱となって空気中に逃げています。煮物や鍋料理は、沸騰後は弱火〜中火で十分です。
原因⑤ ガス会社・プランが割高
2016年の都市ガス自由化により、地域の大手ガス会社以外にも複数の新電力・ガス会社が都市ガスを供給できるようになりました。電気とのセット割引や、ポイント還元プランなど、料金・サービスのバリエーションが増えています。長年同じ会社の基本プランを使い続けている場合、より安いプランに乗り換えることで月500〜2,000円の節約になることがあります。
二人暮らしのガス代節約術6選|効果が大きい順
節約術① 追いだきをやめる(効果:月1,000〜5,000円)
二人が時間を合わせて連続して入浴することで、追いだきが不要になります。どうしても時間差が出る場合は、浴槽に保温シートを活用するだけで、冷め方が大幅に遅くなります(ホームセンターで1,000〜2,000円程度)。
追いだき1回70〜170円 × 30日 = 月2,100〜5,100円の節約効果
節約術② 給湯器の設定温度を下げる(効果:月500〜2,000円)
一般的に設定温度を1℃下げるとガス消費量が約2〜3%削減されます。季節ごとに温度設定を変えることで、年間通じた節約効果が期待できます。
節約術③ 節水シャワーヘッドを使う(効果:月800〜2,500円)
初期投資は1,500〜5,000円程度で、3〜4ヶ月で元が取れるコストパフォーマンスの高い節約グッズです。
節約術④ 電子レンジ・電気ケトルをガスの代わりに使う(効果:月200〜800円)
野菜の下茹でや加熱は電子レンジを活用することでガスコンロの使用時間を削減できます。料理の途中で電子レンジと使い分けることで、ガス代と電気代のバランスを取りながら光熱費全体を最適化できます。
節約術⑤ 料理は中火以下・保温蓋を活用する(効果:月100〜500円)
節約術⑥ ガス会社・プランを見直す(効果:月500〜2,000円)
乗り換えを検討する際の注意点:
- 対応エリア内かどうかを確認する(新ガス会社は地域限定のことが多い)
- 市場連動型プランは料金変動リスクがある
- 解約手数料・最低利用期間の有無を確認する
- キャンペーン終了後の通常料金も比較する
節約効果のシミュレーション|二人暮らしの場合
節約術を組み合わせた場合の年間節約額を試算しました。
もちろんすべてを同時に実践するのは難しいですが、効果の大きい「追いだきをやめる」「節水シャワーヘッド」「設定温度を下げる」の3つだけでも、年間30,000〜100,000円以上の節約が期待できます。
ガス代を確認する際の注意点
急激にガス代が上がったら「ガス漏れ」を疑う
先月と比べて急にガス代が跳ね上がった場合(前月比150%以上など)は、生活習慣の変化だけでは説明がつかないことがあります。
- 心当たりがないのに急激にガス代が増えた
- ガス臭がする(卵が腐ったような臭い)
- ガスメーターが使用していないのに回っている
上記の状況があれば、すぐにガスの元栓を閉め、ガス会社の緊急連絡先に連絡してください。ガスメーター周辺の確認は自分で行わず、専門業者に依頼することをおすすめします。
ガス代が高いと感じたら使用量から確認する
ガス代の請求書には「使用量(m³)」が記載されています。都市ガスで二人暮らしの場合の月間使用量の目安は以下の通りです。
- 夏(7〜9月):13〜20m³ → これ以上なら節約の余地あり
- 春・秋(4〜6月、10〜12月):18〜28m³ → 25m³超なら見直しの余地あり
- 冬(1〜3月):35〜50m³ → 50m³超なら追いだきが多い可能性
ガス使用量が標準より多い場合の確認・対策については、ガス屋のつぶやきの各種コラムも参考にしてください。ガスのプロが詳しく解説しています。








