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実は危ない!知らずにやりがちNG使い方5選|ガス機器の正しい使い方と対策

ガスコンロやガスファンヒーターなど家庭で使うガス機器は、知らずにやりがちなNG使い方が重大な事故や火災、一酸化炭素中毒のリスクにつながることがあります。本記事では気付きにくい危険行為と、安全に使うための正しいポイントや対策をわかりやすく解説します。ご自宅の安全確保に役立つ知識が得られます。

目次

ガス機器を安全に使うために知っておきたい基本

家庭にある主なガス機器の種類と特徴

ガス機器は、私たちの生活を快適にするために欠かせない存在です。しかし、正しい知識を持たずに使うと重大な事故や健康被害の原因となることがあります。まずは、家庭で使われる代表的なガス機器の種類と特徴を把握しましょう。

ガス機器の種類主な用途特徴
ガスコンロ調理多くの家庭で使われており、高火力で素早い調理が可能。設置型、卓上型のほか、ビルトインタイプも。
ガスファンヒーター暖房瞬時に部屋を暖めることができる。定期的な換気が必要。
ガス給湯器給湯お風呂やキッチンにお湯を供給。設置環境によっては屋内型・屋外型があり、それぞれで安全対策が異なる。
ガスストーブ暖房持ち運び式も多く、手軽に必要な場所を暖められるが、転倒や換気に注意が必要。
ガス衣類乾燥機洗濯物の乾燥短時間で衣類を乾かせるが、排気や火気管理に注意。

それぞれのガス機器には設置・使用上のルールがあり、メーカーごとの取扱説明書やガス会社の指示に従うことが安全の第一歩です

事故や火災の原因となる一般的なリスク

ガス機器事故の多くは、日常的な「うっかり」や知識不足による誤った使い方が発端となります。代表的なリスクは以下のとおりです。

リスクの内容原因となる行動・状況主な被害
一酸化炭素中毒換気不足・室内での使用禁止機器の誤使用意識障害や最悪の場合死亡事故
火災コンロ周辺の可燃物放置・点火確認の怠り・ガス漏れ住居の焼失、けがや死亡
ガス爆発ホースの外れや劣化、ガス漏れに気づかず火気を使用建物の損壊、重傷事故
やけど・ケガ使用中の不注意・小さな子どもの接近やけど、切り傷などの身体被害
ガス供給停止・故障長期使用による部品の劣化や誤った操作生活に支障、修理費発生

これらの事故・トラブルは、事前の注意と正しい知識により大幅に防ぐことが可能です。定期的な点検や、適切なメンテナンス、家族全員での使用方法の確認を習慣にしましょう。

やりがちで実は危険なガス機器NG使い方5選

日常的にガス機器を使用している家庭は多いですが、つい無意識でやりがちな使い方が重大な事故や健康被害につながることがあります。ここでは見落としがちな5つの危険な使い方と、その具体的なリスクについて詳しく解説します。

換気不足で使い続けることで起こる一酸化炭素中毒

ガスファンヒーターやガスストーブ、ガス給湯器などの機器を密閉空間で使用すると、目に見えない一酸化炭素(CO)が発生し、知らないうちに中毒症状を引き起こすことがあります。とくに冬場は寒さ対策で窓を閉め切ったままの家庭が多く、換気を怠ることで命にかかわる事故を招きやすいため、必ずこまめな換気が必要です。

NG使用例発生しやすいリスクどんな場所で多いか
窓やドアを閉め切り、連続運転する一酸化炭素中毒、意識障害寝室、リビング、浴室、密閉された部屋

ガスコンロ周辺に可燃物を置いたまま調理する

ガスコンロのそばにキッチンペーパーや布巾、ラップ、調味料のプラスチック容器など燃えやすい物を無造作に置いたまま調理をすると、火が引火して火災になる危険性があります。わずかな不注意で失火や延焼事故を招くため、調理中は周囲を片付ける習慣をつけましょう。

置かれていた可燃物発生しうる事故
新聞紙・キッチンペーパー・調味料ボトルコンロ火災、爆発、煙被害

長時間の点けっぱなしや寝落ちによる消し忘れ

鍋を加熱したまま席を外したり、ガスファンヒーターをつけたまま眠ってしまうと、吹きこぼれや過熱による出火、一酸化炭素の発生や機器の異常過熱といった危険性が高まります。とくに高齢者や小さなお子様がいる家庭では重大事故につながりやすいため、タイマー機能や自動消火機能を活用しましょう。

ガス機器の自己流メンテナンスやDIY修理

調子が悪いからと自分で部品交換や分解掃除などを行うと、内部部品を傷つけたり、ガス漏れ・不完全燃焼を招くリスクがあります。日本ガス協会や各ガス会社も、自己修理は十分に注意を呼びかけています。必ず専門のサービススタッフやガス会社に点検・修理を依頼しましょう。

古いガスホースや劣化した部品をそのまま使用する

ガスコンロやガスファンヒーターなどで使用されるガスホースや接続部品は、経年や熱・紫外線等で少しずつ劣化します。ホースの亀裂やゴムの硬化、接続部のゆるみを放置すると、ガス漏れや爆発事故の危険性が高まります。ホースには使用期限があるため、数年おきに新しいものに交換し、定期的な状態チェックを怠らないことが重要です。

部品名主な劣化症状推奨交換目安
ガス用ゴムホース変色、ひび、硬化、抜けやすい3~5年
ガス栓・ガス接続口ゆるみ、サビ、腐食異常時即時、または10年程度

ガス機器事故を防ぐための正しい使い方とポイント

日本ガス協会が推奨する使用方法

日本ガス協会が推奨するガス機器の安全な使い方は、日常の小さな心がけが大きな事故防止につながることを示しています。必ず、使用前には取扱説明書を読み、ガス機器が設置環境や用途に合致しているか確認しましょう。また、ガスコンロや給湯器などは使うたびに周囲を片付け、換気扇の使用や窓開けを徹底して、一酸化炭素中毒や酸素不足にならないよう注意が必要です。

推奨されている使い方その理由・効果
必ず換気を行う一酸化炭素中毒や空気中酸素不足を防ぐ
火の近くに可燃物を置かない火災ややけど事故のリスク低減
使用後は確実に消火する消し忘れによる事故や無駄なガス消費を防止
定期的に異常音や臭いをチェックガス漏れや機器の劣化を早期発見

点検・交換・修理は専門業者に依頼しよう

ガス機器に異常があった場合、自分で分解したり修理するのは避け、必ず東京ガスや大阪ガスなどのガス会社や、メーカー認定の専門業者に依頼してください。
近年はDIY修理による事故が増えていますが、ガス機器は構造が複雑で、誤った修理がさらなるガス漏れや火災、爆発につながる危険性があります。交換や修理だけでなく、不具合がなくてもガス機器の点検は少なくとも年に1回行うことが理想的です。専門業者は最新の検知器具や診断技術を用いて、目に見えないトラブルもしっかりと発見します。

警報器や一酸化炭素検知器の設置と活用

万が一のガス漏れや不完全燃焼に気付くには、ガス警報器や一酸化炭素(CO)検知器の併用が重要です。
都市ガスもプロパンガスも、無臭のガスや一酸化炭素の発生時には気付きにくいため、台所や給湯器のある場所には必ず設置しましょう。最近の警報器は、ガス漏れ・CO濃度・火災の3つを同時に感知する複合型警報器も多く、天井や壁の適切な位置に取り付けることで早期警報が可能です。警報が鳴った際には、すぐにガス機器の使用を中止し、窓やドアを開けて換気し、ガス会社へ連絡してください。また、警報器も寿命があるので、定期的な動作チェックと数年ごとの交換を忘れずに。

ガス機器の故障や異常に気付くためのチェックリスト

こんな場合はすぐに使用を中止しよう

ガス機器の異常は、重大な事故や火災、一酸化炭素中毒などのリスクにつながる可能性があります。日常の使用のなかで以下のような症状や変化に気付いた場合は、すぐに使用を中止し、専門業者あるいはご契約のガス会社へ連絡しましょう。

症状・兆候具体例考えられるトラブル
点火・炎に異常がある炎が赤や黄色になる/炎が不安定で消える/なかなか点火しない不完全燃焼/噴出口やバーナー詰まり/経年劣化
異音や変な匂いがする使用中にポン、ボンという異音/ガス臭や焦げ臭さ/異常に大きな燃焼音ガス漏れ/部品の故障・劣化/火災・一酸化炭素中毒の前兆
ガス警報器・一酸化炭素警報器が作動した警報音やランプが点灯ガス漏れ/不完全燃焼/一酸化炭素発生
点火操作が異様に重い、または軽くなったつまみやボタンが動かしづらい/通常より軽すぎる内部部品の損傷や劣化/安全機能の喪失
水漏れや結露が見られる給湯器や風呂釜の周囲に水たまり/機器の内部・外部に結露や水滴接続部・配管の不具合/機器内部の破損

これらの異常に気付いた場合、自己判断で分解や修理を行うのは非常に危険です。必ずガス機器の電源や元栓を切り、換気を行ったうえで、専門業者やガス会社に速やかに連絡しましょう。

東京ガスや大阪ガスなどガス会社への連絡方法

もしガス漏れ警報器が作動したり、異臭(玉ねぎのような臭い・焦げ臭い・通常と違う臭い)がしたり、上記のような異常を感知した場合は、直ちにガスの元栓を閉め、窓やドアを開けて換気し、火気や電気のスイッチには絶対に触れずに、安全な場所から速やかにガス会社の緊急窓口へ連絡してください。

主要ガス会社緊急連絡先受付時間備考
東京ガス0570-002299
または03-6735-8899
24時間365日対応ガス漏れや異常など緊急時はすぐ連絡
大阪ガス0120-0-1942424時間365日対応緊急時は無休で専門スタッフが対応
東邦ガス0120-924-91924時間365日対応ガス臭・機器異常にもすぐ対応
西部ガス0120-094-88924時間365日対応九州エリアの主要都市
LPガス(プロパン)供給元(販売店)の連絡先を契約書やシール等で確認多くは24時間受付も、要確認契約ごとに電話番号や連絡方法が異なるため注意

ガス会社への連絡の際は、ご住所・ガスの種類・発生している異常の内容・ガス機器の設置場所について、落ち着いて正確に伝えることが重要です。ガス会社の緊急時電話番号は、ガス機器の近くやスマートフォンの「緊急連絡先」に登録しておくと安心です。

よくあるガス機器に関する質問と誤解

ガス機器の安全な利用については、多くの方が正しい知識を持っていると思いがちですが、実際には誤解や思い込みから事故につながるケースも少なくありません。この章では、特にお問い合わせが多い質問や、よくある誤解について詳しく解説します。

都市ガスとプロパンガスで気をつけるべき違い

都市ガス(13A)とプロパンガス(LPガス)は原料・性質・機器の仕組みが異なるため、機器や接続部品に互換性がないことを理解しましょう。誤ってガス種の異なる機器を使用すると、点火不良や不完全燃焼、重大事故につながる恐れがあります。

項目都市ガス(13A)プロパンガス(LPガス)
主な原料メタン主体(天然ガス)プロパン主体
比重空気より軽い空気より重い
ガス機器の互換性不可不可
使用家庭の割合都市部中心郊外・地方中心

ガス種の切り替えや引っ越しの際には、必ずガス会社または専門業者に相談し、適合したガス機器を選びましょう。

小さなお子様や高齢者がいる家庭での注意点

特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、ガス事故防止のために次の点に注意が必要です。

  • ガスコンロや給湯器の操作ボタンにチャイルドロックを設置する
  • 手の届く場所にライターやマッチ、調理用具を置かず、点火できないようにする
  • 火のそばで子どもが遊ばないように目を離さない
  • 耳が遠くなっている高齢者の場合、消し忘れ防止機能や自動消火機能付きのガス機器を活用
  • 一酸化炭素警報器を設置し、警報音に気づきやすい場所に取り付ける

ガス警報器や一酸化炭素検知器は、設置後も定期的な動作確認と交換が必要です。設置から5年程度で寿命となる機種も多いので、取扱説明書やガス会社の案内を参考に、早めの交換を心がけましょう。

ガス機器に関するその他のよくあるFAQ

質問誤解正しい知識
ガス機器は換気扇を回せば十分に安全?換気扇を一度回せばOK給気口の確保やこまめな換気が不可欠。キッチン以外でガスファンヒーター等を使う場合も窓開けなどで空気の入れ替えを。
ガスの臭いがしなくても安全?臭わなければ漏れていない小さな漏れや不完全燃焼は臭いで気付きにくいことも。警報器の設置や専門点検が大切。
市販の部品や市販ホースで十分?DIYで問題ない認証品以外の使用はガス漏れ・火災リスクあり。部品交換や修理は必ず専門業者に依頼。
ガスファンヒーターは寝る前につけっぱなしOK?安全機能付きなら大丈夫自動消火や安全装置があっても、絶対に就寝時の連続使用は避けること。
ガス機器の寿命はどれくらい?壊れるまで使って平気給湯器やガスコンロは10~15年が目安。定期的な点検・交換が不可欠。

ガス機器の使用に迷った際や不明点がある場合は、東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガスなど、お使いのガス会社のサポート窓口に必ずご相談ください。メーカーサポートやガス協会も信頼できる問い合わせ先です。

まとめ

ガス機器の安全な使用には、正しい知識と定期的な点検が欠かせません。うっかりやりがちなNG使い方は、火災や一酸化炭素中毒などの重大事故につながる恐れがあります。日本ガス協会や東京ガス、大阪ガスの推奨する使い方を守り、専門業者による点検や警報器の設置で、ご家庭の安全をしっかり守りましょう。

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